2016年7月21日
【みのる小紋】染めの美しさを堪能するコーディネート
皆さまこんにちは!長島繊維です。
梅雨の終わり、じめじめとする本日は、「染めの美しさを堪能するコーディネート」をご紹介いたします。
■着尺 ケレン彫 「正倉院」
■帯 ろうけつ染 「霞」
ケレン彫とは型染の一種となる染の技法。
まるで手描きのような繊細なぼかしと奥行きを感じますが、全て「型」で表現しており、その数35枚!
一般には、35枚ほどの型を使用するとなると、それを生かして「多色」の華やかな柄になることが多いのですが、こちらの着尺はあえて色数を抑え、単色になることの多い地色にも数種類の型を使用することで、まるで油絵のようなニュアンスを出しています。
同じ白やグレーも、よく見ると何色か重ねてあったり、「ぼかし」の表現が型染とは思えないほど繊細な作品です。
帯は「ろうけつ染」の九寸名古屋帯。このろうけつ染もタダモノではなく、普通1回で済む蝋引きの作業を3回重ねることで、防染された部分とそれ以外の部分の色の差をはっきりと濃いものにし、蝋引きそのものを大胆に柄として表現しています。
様々な染の技術が発達している呉服の世界。
たまには染の着物と染帯で、その美しさを堪能してみてはいかがでしょうか。