2020年4月9日
桐生織「風光る」
皆さまこんにちは!ついに緊急事態宣言も出され、
気の抜けない一か月となりますね。
Stay at Home
おうちにいながら出来る事、コツコツやっていこうと思います。
さて、昨年末から色出しして織って頂いていた紬が織り上がってきました。
桐生織の無地紬、「風光る」。
群馬県桐生市は私たちが住んでいる栃木県足利市のお隣の町で、
昔から足利と桐生は織物産業で強いつながりがあり、ご縁のある土地なのです。
その桐生で織っていただいた紬なので、桐生らしい名前を付けたいと考えました。
群馬県といえば「赤城おろし」でも有名ですが、冬の空っ風がとっても強い地域です。
寒い冬の間ピューピュー吹いていた風が、だんだんと柔らかくなってくるとそれは春の兆し。
「風光る」とは早春の季語なのですが、「風がきらきらと光って見えるような」
という表現が美しく、まさしく「風」から季節の移り変わりを感じる桐生に
ぴったりだなぁと思い名付けました。
2色展開で、「錫(すず)色」と「菫色」。
どちらも綺麗な色です。
「風光る」錫色。
金属の錫(すず)の鈍いグレーです。
近くで見ると分かるのですが、全くの無地ではなく、織模様で細かい格子になっています。
「風光る」菫色。
青みを感じる藤色です。
どちらも経糸に白ではなく生成りの糸を使っていただき、緯糸に色糸を入れて織っています。
そうすることで、光の当たり具合や角度によって微妙に色が変化し、奥行きを感じるものになっています。
どんな帯でも合う万能な紬ですが、こんな大胆な染帯も可愛いですね。グリーン×卵色の小物で春らしさを。
こちらは白ベースの帯を合わせてちょっとよそ行き風です。
それにしても・・・早く着物を着て出かけたいですね!コロナウィルスが収束するまでは、おうちの着物のお手入れをしたり、手持ちを眺めてコーディネートをあれこれ想像して楽しんでくださいね。