2020年6月12日
栃木の麻、「野州麻」の帯
皆さまこんにちは!
今年も梅雨入りの様子。季節はどんどん進みますね。
本日は、栃木県で栽培されている大麻「野州麻」を使った夏帯の新作が
織り上がってきましたのでご紹介します。
野州麻の「裂織八寸帯」。
野州麻を糸にしたものを、裂織の八寸帯に織っていただきました!
少し濃いめの糸の部分が分かりますか?
これが「野州麻」の部分。
お太鼓と前柄の部分に織り込んであるので、細い横段のように見えます。
ちなみに「野州麻」はこちらです。
栃木県鹿沼市は日本でも限られた「大麻」の生産地です。
もともと「大麻」は衣食住、日本の文化に欠かせない植物でした。
今では毒性のない「野州麻」として、横綱の綱や、神社の儀式、また壁紙になったりと、様々な使い方をされています。
長島繊維ではそんな「野州麻」を糸にして、毎年帯を織っていただいているのですが、今年は初めて「裂織」の帯にしてみました。
着物などの生地を裂いて織り込んでいく「裂織」の技術。
そこに「野州麻」も織り込んで、涼やかな夏の八寸帯になりました。
浴衣でも合わせられる、軽さのあるシンプルな帯です。
見ているだけで涼やかですよね。
お着物は石川県の指定無形文化財である「能登上布」です。
その軽さ、しなやかさは「さすが!」の一言。
憧れの夏着物ですね。
そして毎年野州麻100%で織っていただいている、オーソドックスな八寸帯はこちらです。
野州麻100%、夏の八寸帯です。麻本来の色合い、いわゆる「亜麻色」ですね。
こちらも能登上布の白地の絣のお着物に合わせてみました。
これぞ盛夏の装い、というコーディネート。
夏はとにかく見た目に涼しく、余計な色を足さずに素材感や透明感でまとめるのが好きです。ひたすら爽やかに、涼やかに。あぁ、こんな装いで日傘を差し、きれいに髪をまとめたご婦人が歩いていたら・・・それはそれは素敵ですねぇ。